【看護師】小規模病院への転職~メリットとデメリット
多くの場合、はじめての就職は大規模病院だと思います。 一方で「小規模病院」はどんな職場で、どんなメリットがあるのでしょうか。
目次
小規模病院ってどんな職場?
病院勤めを希望する看護師が転職する際にポイントの1つは、病院の規模です。
大学病院等の大規模病院や、中規模病院・小規模病院に分けられます。 新卒看護師の就職先は、研修制度の整っている大規模病院が非常に多いです。
一方で、大規模病院から転職する際、家から近い職場・もう少しのんびり働きたいという理由で選ばれるのが小規模病院です。 では、小規模病院はどのような職場でどのような仕事内容なのでしょうか。
ここでは、厚生労働省が調査時に基準とする、20床~99床の入院施設を持つ医療機関を小規模病院として紹介していきます。
仕事内容
小規模病院は、「外来看護師」と「病棟看護師」の2つに分けられます。
これは、大規模病院や中規模病院でも同じです。 仕事内容も、医師の指示で採血・注射・点滴・血圧測定・問診や、 外来であれば診察補助・入院は入浴介助などで病院の規模によって変わることは少ないです。
小規模病院は、急性期入院治療を必要とする患者の為の「一般病床」と長期療養を必要とする患者の為の「療養型病床」が多くなっています。 小規模病院は看護師の数が少ないので、1日を平均して入院患者10人に対して看護師が1人で勤務するケースが多いです。
小規模病院は、大規模病院と比較すると、古い医療機器を使っていることが多く、 大規模病院から転職した際は少し戸惑うこともあるようです。
勤務時間
勤務時間は病院によって変わりますが、病棟勤務であれば8:30~17:30と17:00~9:00までのような2交代制が多いです。 休みは、4週8休のシフト制が一般的です。
外来の場合は、8:30~17:00前後が多いです。 休みは週休2日で日祝休み・年末年始休暇があります。 病棟勤務と比較すると、長期休暇がありプライベートの時間を確保しやすくなっています。
給料
給料は、25万~30万円程度となり、大規模病院や中規模病院と比較すると基本給がやや低くなっています。 また、管理職に付く手当金の額も低い傾向にあります。
一方で、2交代制の病院が多い為、夜勤に入ると夜勤手当の額が多くなり収入アップを狙うことができます。
外来勤務の場合は、夜勤手当が付かず、病棟看護師よりも給料が下がり25万円前後となります。 また、パート勤務の求人が多くなっています。
小規模病院の雰囲気
小規模病院の雰囲気を一言で表すならば、「アットホームな病院」です。
小規模病院は、大規模病院と比較して人数が少ない為、医師や他のスタッフとの距離が近いので、 業務を円滑に進めるには、チームワークの良さが重要となります。 この為、医師・看護師・その他スタッフで対等な立場で話すことも多くみられます。
患者との距離が近いことも小規模病院の特徴です。 地域密着型病院と呼ばれることもあり、近所の人が多く通う病院となっています。
病状が安定していて、毎月診察と投薬の為に受診する患者も多いです。 この為、お互いに顔を覚えていたり、どんな性格の人かを把握できるくらいに距離が近いです。
小規模病院で働くメリット
仕事内容は大規模病院等と変わらず、給料はやや下がる小規模病院ですが、小規模病院で働くことを希望する看護師は多いです。 では、小規模病院で働くメリットは何でしょうか。
プライベートの時間を取りやすい
外来看護師の場合は、日祝休みで勤務時間が8:30~17:30・夜勤なしの為プライベートの時間を確保しやすいです。 また、病棟看護師の場合は、2交代制が多いので、夜勤明け休み等で休みが多く、こちらもプライベートの時間を確保しやすくなっています。
そして、小規模病院を選ぶ基準で家から近いという理由も多いです。 通勤時間が短縮されれば、必然的にプライベートの時間が長くなります。
クリニックと比較すると昇進しやすい
小規模病院は20~99床の入院施設を持つ病院となり、クリニック等と比較すると看護師の人数が多く、 看護部が組織されています。看護部があるということは、看護部長や副看護部長等の役職があります。
この為、クリニックや企業看護師のように看護師の人数が少ない職場では難しい昇進を狙うことが可能となっています。
長く働くことができる
大規模病院は、若い人が多い印象が強くありますが、小規模病院は幅広い年齢の看護師が働いています。 病棟勤務は、2交代制の為体力が必要なので若い人が多いです。
外来勤務でも体力は必要ですが、病棟勤務と比較すると体力の必要性はやや低いです。 この為、病棟勤務から外来勤務やパート勤務へと、年齢やライフスタイルの変化によって移動できることも小規模病院の強みであります。
小規模病院では、大規模病院のような研修制度が整っていないこともあり、新卒採用が少ないです。
新しく人を雇うよりも、既に働いている人に長く働いてもらう方が新人教育の手間も省くことでき、 雇用側のメリットも大きいので、移動の融通が利きやすく、長く働くことが可能となっています。
夜勤手当額が多い
近年は、看護師の負担を減らす為に3交代制が推奨されています。 3交代制は、勤務時間が短くなるので肉体的には多少楽になります。 しかし、楽になる分夜勤手当や休みが減ることも事実です。
小規模病院は、3交代制にできる程の看護師が居ません。この為、2交代制が主流となります。 2交代制は、夜勤明け休み等で多くなり、深夜の勤務時間が長く夜勤手当も増えますので、2交代制にメリットを感じる人もいます。
残業時間が少ない
小規模病院は、大規模病院や中規模病院と比較すると、残業時間が少ないです。
残業が全くない訳ではありません。 日本看護協会の調査によると、99床以下の小規模病院では月10時間以下の残業が全体の半数近く占めています。 次いで10~20時間の残業が多いという結果になっています。
病床数が多くなればなるほど、残業時間にバラつきが出ている傾向です。 特に大規模病院の管理職は残業時間が長くなっています。
小規模病院では7割が20時間以下の残業となり、残業時間が少ないことが小規模病院を選ぶメリットとなっています。
小規模病院で働くデメリット
小規模病院で働くとワークライフバランスが良く感じますが、看護師として働くには物足りないと感じることもあります。 小規模病院で働くデメリットをメリットと比較して転職活動に役立てましょう。
2交代制の勤務が多い
2交代制は夜勤手当が多く付くので給与面ではメリットでありますが、夜勤の時間が長いです。 夜勤の時間が長いということは、心身共に疲れやすい状態になります。
心身が疲れてしまうと、休みは体力を回復に専念することになり、 せっかくの休みなのに友人との食事や映画鑑賞といったリフレッシュができません。
休みが多く感じる2交代制ですが、3交代制よりも体力を必要とします。 疲れが溜まりやすく体調管理に苦労する人も多いようです。
キャリアの満足度が低い
小規模病院は、大規模病院と比較するとキャリア満足度が低くなります。
大規模病院では当然のように先進医療を行っています。また、医療機器も最先端です。 しかし、小規模病院は最先端の医療機器を持っていないことが多いです。古い医療機器を何年も使っています。
大規模病院では診療科が細分化され数が多く、色々な診療科を深く勉強することができます。 小規模病院では診療科は大まかに分けられていることが多く、診療科自体内科や外科のみであることもあり、身につけることができる知識に制限があります。
また、大規模病院のような研修制度も整っていないので、 看護師としてキャリアアップを狙いたい場合には小規模病院では物足りないことがあります。
小規模病院の数が少ない
20床~99床の小規模病院の数は少ないです。高齢社会ということもあり、中規模以上の病院の方が需要が高まっています。 病院の数が少ないということは、求人の数も少ないので転職がしにくくなります。
転職時は看護師経験年数が重要視される
小規模病院では、研修制度が整っていないことが多い為、即戦力であることが期待されます。
この為、看護師経験年数が多く、ブランク期間が短い人の方が転職しやすくなっています。 看護師経験年数が少ない人は転職する際に注意が必要です。
人間関係に疲れる
小規模病院は、医師や看護師、その他スタッフの人数が少ないです。 この為、業務を円滑に進めるには周囲との連携が必要となり、コミュニケーションを大切にしなければなりません。
小規模病院はよく言えばアットホームな職場ですが、人との距離が近いので、人間関係に疲れを感じることが多いです。
どんな人が向いている?
小規模病院に勤めることが向いているのはどのような人なのでしょうか。 メリットやデメリットで挙げたことを踏まえて、どのような人に向いているのかを紹介します。
程々にキャリアアップを目指したい
小規模病院は、大規模病院のように最新の医療機器があり、先進医療を施している病院は少ないですが、 院内研修や勉強会を定期的に行っている病院が多いです。
この為、クリニックや企業看護師と比較すると勉強する機会が多くキャリアアップを目指すことができます。
また、看護部長や副看護部長といった役職を目指すこともできますので、仕事に対してのモチベーションも保ちやすいです。
プライベートの時間も大切にしたい
病棟勤務では2交代制の為、休みが多くなります。 また、外来勤務は日祝休みとなっています。残業時間も少ない方なので、自分の時間を確保しやすいです。
この為、プライベートの時間も大切にしたい人に向いている職場ということができます。
地元の病院で働くことを希望する人が多く勤めているのが小規模病院です。 仕事も勿論大切ですが、プライベートも大切にしたい人が多いので、同じ考えの人にとっては働きやすい職場でしょう。
患者に寄り添って仕事をしたい
小規模病院は、平均在院日数が長いので、患者の入れ替わりが激しい病院と比較すると、 1人の患者に寄り添った看護ができます。
また、退院後の患者を外来でフォローしていくことも多い為、退院後も関わることが可能です。 患者に寄り添い、病気以外の面でもフォローしたいと考える看護師には向いている職場となります。
様々な看護業務を経験したい
大規模病院では内科であっても、循環器内科や消火器内科・呼吸器内科に細分化されますが、 小規模病院では内科というように診療科が大まかに分かれていることが多いです。
また、看護師の人数が少ない為、内科・外科と診療科を跨いで業務をこなすこともあります。 この為、様々な看護業務を経験することができます。
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