【看護師】企業看護師ってどうなの?
看護師が転職を検討する際、企業看護師(産業看護師)について気になった方も多いと思います。 企業看護師がどのような仕事をして、給料や待遇はどうなのか、企業看護師になるメリットやデメリットなどを解説していきます。
目次
企業看護師の仕事内容
企業看護師の仕事は、一言で言えば「予防」です。
主に健康診断の計画を立てて実施して、結果を見て、 メタボリックシンドロームや通風、糖尿病など生活習慣病を予防します。 サラリーマンはお酒を飲む人が多いので、悪い数値を抱えた人が会社にたくさんいます。
そういった人でも「俺は大丈夫だ」と根拠のない自信を持っていたり、 「仕事で忙しいから」と病院へかかることをせず、また生活習慣も特に変える気がないという厄介さがあります。 企業看護師はその人たちを根気よく説得して医師にかからせる必要があります。
そして、会社の医務室には企業看護師に加えて企業医師(産業医)も所属していますが、 医師は非常勤で週2~3日しか会社にいません。企業看護師は週5日勤務で常駐し、 医師がいない間に起きた出来事などを報告し、また医師のスケジュールを管理したりします。
最近ではメンタルケアの必要性が企業にも認知されてきており、 残業時間が長い社員は企業医師の面談を受けさせられるのですが、 その際にも看護師が同席して様子を観察します。
メンタルや自律神経の不調を抱える社員を頻繁に呼んで看護師と社員で1対1の面談をすることも多いですし、 不調を訴える社員にベッドを貸し出したりもします。
オフィスではめったにありませんが、工場では労災が発生することがしばしばあり、その応急処置をすることもあります。 職人は鉄粉が目に入りがちなので、定時間際では目の洗浄に大行列ができることもあります。
企業看護師の給料・待遇
企業看護師の給料は決して高くはありません。 月給25~30万円が相場ですが、病棟勤務に比べるとかなり落ちると思います。
基本的に正社員での採用は少なく、契約社員として企業看護師になります。 ボーナスはなく、夜勤も残業も皆無なため、手当も特につきません。
ただ、事務職に比べると給料は格段に高く、仕事もハッキリ言って楽なので、「仕事の割には給料が高い」と言うこともできます。
健康診断の時期(6月前後)は段取りや立ち合い、結果の整理などで少し忙しくなります。 しかし、健康診断そのものは保健センターや病院に委託しますので、企業看護師自らが行うことはありません。 残業や休日出勤は皆無で有給は事務職以上に取りやすく、それでいて給料は事務職以上です。
8時半~17時半、9時~18時など企業の定時通りの週5日勤務で、 ちょくちょく社員との面談はありますが、基本的にやることはありません。
企業看護師の存在を認識していない社員すら多く、社員とは「健康管理」以外ではほぼかかわりがないため、 人間関係に悩まされることもありません。「なかなか病院に行ってくれない」などの悩みはありますが、 社員が看護師に対して態度が悪いということではありません。
上司らしい上司もおらず、企業看護師は1つの職場に1人しかいません。 医務室は、医師がいない日は個室同然なので気分も楽です。 企業医師と情報共有ができれば十分な職場です。
企業看護師として転職するメリット
企業看護師として転職するメリットを解説していきます。 特に勤務形態ではこれ以上良い仕事は他にないでしょう。 事務職に転職するくらいなら、企業看護師になるのが圧倒的におすすめです。
1.ワークライフバランスが最高クラスに良い
どの病院、どの福祉施設に行っても残業やオンコール対応、週6日勤務、夜勤など体力的にキツイ看護師の仕事ですが、 企業看護師に限っては完全週休2日制(土日祝+α)で残業はなし、休日出勤もなし、夜勤もなしという恵まれた仕事です。 ワークライフバランスは最高クラスに良いのが企業看護師になるメリットです。
健康管理すべき社員は「とりあえず今は健康で元気に働いている人」ですから、 生活介助のような力仕事がありませんし、風邪くらいで相談しに来る社員もいません。 メンタル不調の社員の話し相手になったり、ベッドを貸し出す程度ですからキツイ仕事は皆無です。
休日は会社の年休によりますが、大企業では年休120日を超える会社も珍しくありません。 土日祝に加えてお盆休み、年末年始休みもあり、ゴールデンウィークも有給休暇もあります。 事務職と違って会社のお客さんと関係するわけでもないため、有給の取得もかなりしやすいです。
2.人間関係の悩みがない
企業看護師になるメリットで「人間関係の悩みがない」のは非常に大きいですよね。 病院や福祉施設、保育園では女性が多い職場ですからどうしても人間関係の悩みがつきません。 ですが、企業看護師は上司も同僚もおらず、社員とも仕事上の関わりがありません。
週に2~3日、しかも半日ずつ出勤してくる産業医と情報共有をする程度で、 産業医がいない時間は医務室が完全に自分専用の個室になります。
看護師としての仕事で最も「人間関係」の面で恵まれている職場です。
3.「予防」に特化できる
病院で慢性患者をみていて、「こうなる前に病気を阻止してあげたい」と思いを強くした方も多いのではないでしょうか。 病院ではどうしても「病気になった後」の患者さんをケアすることになりますが、 企業看護師では「予防」に特化できるというメリットがあります。
「病院にかかれ」と何度言っても言うことを聞かない社員を説得するのは根気がいりますが、 その経験がキャリアにもいい影響をもたらします。予防を目的とした「保健センター」で公務員になる道も開かれますし、 児童福祉施設や保育園などでも経験を活かせるでしょう。
そもそも企業看護師自体の採用が今後増えていくと思われます。 「予防」に特化した看護師になれるという点で、企業看護師にはキャリア上のメリットがあります。
4.「精神ケア」の経験を積める
パソコンの普及以来どんどんサラリーマンの仕事がキツくなっており、 その分、自律神経や精神を病んでしまう社員も多いです。 そういった社員と面談を行い、精神ケアをやっていく必要があります。
もちろん産業医と同席して行うため責任が降りかかるということはなく、 また最終的には病院への受診をすすめます。 そのため企業看護師は「精神ケア」のうちでもかなり初期の段階で接することになります。
この経験は病棟ではできませんし、外来よりもまだ症状が軽い段階ですから、 かなり勉強になると思われます。
そして関連書籍を読む時間はいくらでもありますので、がっつり研究することができます。
企業看護師として転職するデメリット
転職先を探している段階では、どの職場もよさそうに見えるものです。 企業看護師として転職するデメリットもしっかり把握しておいて、 自分に本当に向いているかどうかを判断する材料にしましょう。
1.やることがない
企業看護師は、病院勤務に比べるとびっくりするほどやることがありません。 社員はみんな今は健康的に元気に働いていますから、何か世話をする必要も、応急処置が必要な場合すらほとんどありません。 主な仕事は社員を呼び出して、健康診断の数値が悪いことを伝えるくらいです。
忙しくバタバタと走り回っている今はこれをうらやましく思うかもしれません。 しかし、やることがなさすぎるのは実は病むほどしんどいことです。
産業医がいない時間は完全に個室になるとはいっても、やはり遊んでいる姿を見られるのはまずいですから、 仕事をしているフリをしなければなりません。 パソコンに向かって何かを入力しているフリ、エクセルで何かを計算しているフリなどをします。
妙な緊張感がある上に、退屈なので時間の流れは遅く、医務室の設備の整理整頓ばかりしています。 たまに内線がかかってくると飛び上がって喜んでしまうくらい暇です。 いつも時計が定時を指すのを待ちわびています。
果たしてこれに耐えられるでしょうか。
2.給料が安い
企業看護師はやることが少ないだけに、給料も安いのが現実です。 病棟勤務の平均年収が470万円に及ぶのに比べ、企業看護師は年収300万円程度です。
その分、休日はしっかりあって夜勤も残業もないのですが、年収が100万円単位で落ちるので、 日々の出費については見直しが必要になってくるでしょう。
ただ、事務職に比べると給料が高いので、事務職になるくらいなら企業看護師が良いと思います。
3.看護技術が低下する
企業看護師になると看護技術の低下が避けられない大きなデメリットがあります。 介護施設や保育園では「応急処置」や「判断力」を養えるメリットがあるのですが、 企業看護師についてはそれすらありません。
採血や点滴はありませんし、生活介助もありません。 看護学を学びなおす時間だけはいくらでもありますが、臨床経験という意味ではブランクにしかなりません。
企業看護師になる場合はこのデメリットを踏まえたうえで、 「企業看護師の次のステップ」をよく考えておく必要があります。
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