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訪問看護の特別管理加算とは?取得のために必要な準備もチェックしよう!

 現代においては、医療技術の大幅な発展によりさまざまな医療ケアが可能となりました。 そうした中で、自宅に訪問して医療サービスを提供する訪問看護サービスに対する興味・関心が高まっています。

 ここでは、医療関係者に向けて訪問看護の特別加算について解説するとともに、特別加算取得のために必要な準備についても説明していきます。



 

訪問看護の特別加算とは?

 訪問看護は、医療の必要性が高い患者さんであっても自宅で生活ができるようにするための制度です。

 訪問看護を必要とする患者さんは、多くの場合、重篤な状態や末期の状態にあります。 そのため、訪問看護の場では、通常の医療サービスよりもさらに細心の注意が必要とされるのです。

 訪問看護を提供するにあたって、「特別な管理を必要とする患者さんへ計画的な管理を行うこと」を評価して加算されるのが、訪問看護特別管理加算となります。

 特別管理加算は、1カ月に1回、月の初回訪問時に算定され、介護保険と医療保険の両方にあるのが特徴です。

 訪問看護ステーションが特別管理加算を取得するには、質の高い看護スタッフの育成が必要不可欠となります。 前述の通り、訪問看護サービスの利用者は重篤な状態や末期の状態が多く、ほんの些細なミスでその容態が悪化、最悪の場合には死亡してしまうこともあるのです。

 そのため、訪問看護に当たるスタッフには、急性期病院の看護師レベルの豊富な知識と高い技術、そして確実な医療サービスを施すだけの緊張感が求められます。

 また、特別管理加算の取得には、都道府県への「特別管理体制に係る届出書」の提出が不可欠です。 そのためには、24時間連絡体制や医療機関との密接な連携が必要となります。

 

介護保険の特別管理加算

 訪問看護の特別管理加算には、介護保険のものと医療保険のものの2種類があります。 そして、介護保険の特別管理加算は、さらに1と2に分かれるのです。

 ここでは、介護保険の特別管理加算について解説していきます。

 

1.介護保険の特別管理加算1とは?

 介護保険の特別管理加算1は、加算対象となる訪問看護の実施に関する計画的な管理と訪問看護の実施がされていると判断された場合に加算されます。

 加算されるのは、1カ月につき500単位です。 加算対象となるのは、在宅悪性腫瘍患者指導管理を受けている状態、在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、 気管カニューレを使用している状態、留置カテーテルを使用している状態の4つとなります。

 このように、特別管理加算は緊急性の高い症状・状態にある利用者に対する訪問看護サービスを行なう際に適用されるのです。

 なお、特別加算1と2を併用算定することはできません。 特別管理加算の算定は、どちらも該当月の第1回目の訪問看護を提供した日に行われます。 また、算定は利用者1人に対し1カ所の事業所に限って可能です。

 2カ所以上の事業所から訪問看護サービスを提供している場合は分配することになりますが、分配について事業所間の合議を行なう必要があります。

 

2.介護保険の特別管理加算2とは?

 介護保険の特別管理加算2は、加算対象となる訪問看護の実施に関する計画的な管理と訪問看護の実施がされている場合に加算されます。

 加算されるのは、1カ月につき250単位です。 加算対象となるのは、在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、 在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理となります。

 また、患者が特定の状態にある場合も加算対象です。 在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態や、人工肛門また人工膀胱を留置している状態、 真皮を超える褥瘡の状態(MPUAP分類3度または4度、DESIGN分類D3、D4、D5)、点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態も加算対象となります。

 特別管理加算1と同じく、2でも重篤な症状・状態にある利用者に対する訪問看護サービスに対して適用されていることがわかります。

 

医療保険の特別管理加算

 医療保険の特別管理加算も、介護保険と同じように1と2に分かれています。医療保険の場合も、加算対象となるサービスや患者の状態が異なります。

 

1.医療保険の特別管理加算1とは?

 医療保険の特別管理加算1は、加算対象となる訪問看護の実施に関する計画的な管理と訪問看護の実施がされている場合に加算されます。

 加算されるのは、介護保険と同じく1カ月に500単位です。

 加算対象となるのも、在宅悪性腫瘍等患者指導管理を受けている状態にあるもの、 在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にあるもの、気管カニューレを使用している状態にあるもの、 留置カテーテルを使用している状態にあるものの4つのケースで、介護保険と同様になっています。

 

2.医療保険の特別管理加算2とは?

 医療保険の特別管理加算2の取得条件も、加算対象となる訪問看護の実施に関する計画的な管理と訪問看護の実施がされている場合となっています。

 加算されるのは、介護保険と同じく1カ月に250単位です。

 加算対象となるのは、在宅自己腹膜還流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、 在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿管理、在宅人口呼吸指導管理、 在宅持続要圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理となっています。

 また、特定の患者の状態も加算対象です。 患者の状態が、在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態、人工肛門また人工膀胱を留置している状態、 真皮を超える褥瘡の状態、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者に当てはまる場合も加算対象となります。

 

特別管理加算における注意事項

 特別管理加算には、いくつかの注意事項があります。

 まず、介護保険、医療保険とともに、特別加算の1と2を併用することはできません。 また、両者とも算定日は月の初回訪問時となり、算定は1カ月に1回となります。

 介護保険と医療保険とでは異なる点があることも大きな注意点です。 介護保険の特別管理加算は、複数の施設からの訪問看護を受けている場合であっても、一カ所の施設からしか請求ができません

 しかし、医療保険の特別管理加算では複数の施設が関わっていてもすべての施設で算定が可能となっています。 その際の分配に関しては、事業所それぞれで合議を行って決めることになります。

 月の途中で介護保険もしくは医療保険が変更になった場合でも、両方に請求を行うことはできません。

 

特別管理加算取得のために必要な準備

 特別管理加算取得は、訪問介護サービスを提供していれば無条件で得られるわけではありません。 特別管理加算取得を取得するためには、各種の準備が必要なのです。

 ここでは、特別管理加算取得のために必要な準備について解説していきます。

 特別管理加算を取得するためには、特別管理の対応ができるような職員の体制と勤務体制が整っていることを証明しなくてはいけません。 訪問介護サービスでは、重度、急性期の状態にある患者を扱うことになります。 そうした状況においては、スタッフには豊富な知識と高いレベルの技術が求められるのです。

 そのためには、訪問看護の対応が可能なスタッフの育成が急務となります。 訪問看護サービスを行うのに十分な能力を持っているスタッフが不足している状態では、特別管理加算を得ることはできません。

 また、訪問看護サービスにおいては、スタッフ以外にも、施設の勤務体制も問われます。 いつ容態が急変するかわからない患者を扱う訪問看護サービスでは、24時間体制で連絡が取れる体制が整っている必要があります。

 そして、病状の変化に合わせて適切な医療サービスを提供したり、必要な医療器具を取り揃えたりすることも重要です。 そのため、特別管理加算を得るためには、医療機関との密接な連携も求められます。

 このように、特別管理加算取得の準備としては、十分な知識や技能、そして緊張感を持ったスタッフの育成、 24時間対応可能な勤務体制の整備、各種医療機関との緊密な連携が必要不可欠なのです。

 これ等以外にも、特別管理体制に係る届け出書の提出も必要となります。 こうした準備が1つでも欠けていると特別管理加算が取得できなくなる可能性もあるので、事前準備はしっかりしておきましょう。

 特に、各種医療行為の確認は大切です。 特別管理加算2の「点滴注射を週3日以上行う」ケースでは、医師から点滴注射を週3日以上行なうよう指示があったことを確認しなくてはいけません。 さらに、実際に点滴注射を行った後に医師への報告もしなくてはいけないのです。

 そして、そうしたことを行った記録を訪問看護記録書に記録しておく必要もあります。 このように、特別管理加算を正しく受けるためには、しっかりした事務処理能力も求められます。

 

緊急時訪問看護加算についても知っておこう!

 訪問看護サービスにおいては、特別管理加算とは別に、緊急時訪問看護加算という加算もあります。 ここでは、緊急時訪問看護加算の概要と、その取得単位について解説していきます。

 

1.緊急時訪問看護加算とは?

 緊急時訪問看護加算とは、365日、24時間体制で緊急時の連絡や相談ができ、緊急訪問依頼に対応する場合の加算です。

 重度、末期状態といったステージにあるサービス利用者は容態の急変の危険性が高いため、24時間いつでも対応可能な体制を敷いておく必要があります。 緊急時訪問看護加算は、そうした体制を促進し、なおかつ利用者が在宅で安心して訪問看護サービスを受けられるようにすることを目的としているのです。

 緊急時訪問看護加算を取得するには、利用者本人、もしくは利用者の家族に対して緊急時訪問看護加算について文書での説明を行う必要があります。 その上で同意を得てはじめて、緊急時訪問看護加算が取得できるのです。

 安心して質の高い訪問看護サービスを受けられるため、緊急時訪問看護加算を取得している利用者の数は年々増加傾向にあります。 緊急時訪問看護加算を取得している利用者の割合は、2016年時点で全体の52.2%です。

 さらに、その中で要介護3以上の利用者の割合は、実に55%にものぼっています。 このように、緊急時訪問看護加算の取得は訪問看護サービスにおいて非常に重要なポイントとなっているのです。

 緊急時訪問看護加算を取得できる対象事業者は、都道府県により指定認定を受けた訪問看護ステーション、 指定訪問看護を担当する医療機関(病院、診療所)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護となっています。

 なお、緊急訪問ができるスタッフは、原則として看護師もしくは保健師です。 しかし、病院や診療所の場合には医師にも緊急訪問が認められています。

 

2.緊急時訪問看護加算ケアにおける取得単位

 緊急時訪問看護加算の算定要件は2つあります。

 1つは「24時間、ご利用者かご家族からの相談や連絡に対応することができ、緊急時の訪問ができる勤務体制を整備し、 それを都道府県に届け出ていること」です。 届け出がない状態で緊急訪問が行われても、訪問看護費しか算定されませんので注意しましょう。

 もう1つは「ご利用者またはご家族に緊急時訪問看護加算算定について書面で説明し、同意を得ていること」です。 緊急時訪問看護加算の単位取得は、月の第1回目、介護保険で訪問を行った日に行われます。 なお、単位の取得は訪問看護の単位数に加算される形です。

 緊急時訪問看護加算における取得単位は、事業所によって異なります。 指定訪問看護ステーションおよび看護小規模多機能型居宅介護の場合、取得単位数は1カ月あたり574単位です。

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、病院または診療所である指定訪問看護を担当する医療機関の場合は、1カ月に315単位が加算されます。

 緊急時訪問看護加算は、医療プランにはない緊急時の訪問があることを想定して算定されるので、 月1回、初回の訪問時に緊急訪問であるか否かは関係なしに算定されることになるのです。

 また、緊急時訪問看護加算は原則として夜間、早朝、深夜の加算については算定されません。 しかし、1カ月内に行われた2回目以降の緊急訪問については、夜間、早朝、深夜の訪問も含めた加算を算定することが可能です。

 なお、この場合には居宅介護支援事業者などへの連絡が必要になるので訪問看護サービス計画の変更が必要となります。

 24時間対応体制加算および24時間連絡体制加算は医療保険での訪問看護療養の加算となりますが、緊急時訪問看護加算は介護保険での加算です。 介護保険と医療保険の両方で加算を取ることはできないという点には注意が必要でしょう。

 また、訪問看護の対応にあたったスタッフによっても取得単位が異なります。 准看護師が対応した場合、算定されるのは規定単位の90%です。

 

訪問看護で幅広いケアをめざそう!

 訪問看護の需要は、今後ますます高まっていくと予想されます。 幅広いケアを提供できるようになるためにも、特別管理加算の導入を検討する意義は十分にあると言えるでしょう。

 また、特別管理加算の取得を目指すことは、スタッフの育成や業務体制の充実にもつながります。 加算については届け出も必要なので忘れずに行い、しっかり単位を取得するようにしましょう。

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