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看護師を辞めたい!辞めるべきケースやスムーズな転職方法は?

 看護師の仕事は、精神的にも肉体的にもハードなことが多いです。 そのため、看護師として働く人であれば、一度は仕事を辞めたいと思ったこともあるのではないでしょうか。 しかし、辞めてしまう前に、本当に今の仕事を辞めるべきかどうか、じっくりと考える必要があります。

 ここでは、看護師を辞めた方が良いケースはどのような場合なのか、 また、辞める前にできることはないのかなど、詳しく紹介します。

 目次



 

看護師を辞めたいというときに考えられる理由

 看護師という仕事は、多くの職業のなかでも大変なことが多いともいわれています。 そのため、看護師として働いている人の多くは、仕事を辞めたいと考えることもあるでしょう。

 また、辞めたい理由としては、「人間関係のトラブル」「体力的な問題」「精神的なプレッシャー」「他の業種への憧れ」 などが考えられます。ここからは、なぜ看護師は仕事を辞めたくなるのか、その理由を具体的に見ていきましょう。

 

理由1:人間関係が上手くいかない

 看護師を辞めたい最も大きな理由として「人間関係が上手くいかない」ということがあります。

 看護師の職場は、先輩や後輩、正看護師や准看護師といった、多くの違う立場の人間で成り立っています。 特に、経験の浅い看護師は、先輩看護師からたくさん学ぶことも多いです。 人間関係が円滑でないと、教える方も教わるほうも、多大なストレスを抱えてしまうでしょう。

 経験のない看護師の場合、聞きたいことや教わりたいことがあるのに、先輩から無視されたり、 いじめを受けたりすることもあります。また、立場が弱いと、自分の担当ではない仕事を押し付けられることもあり、 だまって従うことによりストレスを抱えることにもなるでしょう。

 また、こうしたトラブルは先輩看護師からのパワハラだけでなく、 医師からもセクハラやパワハラを受けるケースも多いのです。このような人間関係のトラブルは、多くの病院で見聞きします。人間関係が悪いということは、職場自体の雰囲気が悪くなるため、次々と看護師がやめてしまうケースも少なくないのです。"

 

理由2:体力的に辛い

 看護師の仕事は、体力的に辛いことが多いです。

 特に、大きな病院で勤務していると、昼夜を問わず患者さんがやってきます。 休日であろうが夜中であろうが常に動き回る必要があり、仕事がしんどいと感じてしまうこともあるでしょう。

 また、体力を奪う大きな原因として「夜勤」があります。 一般職であれば、眠れているはずの時間に働く必要があり、十分な睡眠がとれず、生活リズムが乱れてしまうのです。 これにより体力が奪われ、仕事を辞めたいと考える看護師も多いです。

 しかも、多くの病院では看護師が不足し、休みが少なく残業が多いため、体力がさらに奪われてしまいます。

 また、看護師自体が持病を抱えていると、身体が重労働についていけないこともあります。 こうした場合、デスクワークといった他の仕事に転職をしようと考えることもあるでしょう。 また、せっかくの休日も、研修会や学会、レクレーションや看護研究などがあり、体力の回復ができないことも多いです。

 こうした体力的に辛い要因が、看護師を辞めたいと考える要因にもなってしまうのです。"

 

理由3:医療事故を起こさないか不安で怖い

 看護師の仕事は、非常に責任重大です。 人の命を預かる仕事であるため、プレッシャーは常に大きいでしょう。

 そのため、責任感が強い人ほどストレスを抱えて、仕事を辞めたくなる傾向があります。

 例えば、看護師が行う点滴投与や注射といった医療行為でも、行う時間を間違えたり、 投与する薬を間違えたりすれば、患者の命に関わります。間違えてはいけないという気持ちから、 さらにプレッシャーが大きくなることもあるでしょう。

 ミスが多くなるにつれ自信を失くし、医療事故などの重大ミスを起こさないか不安になる看護師も多いです。 人の命を預かる仕事であるがゆえ、その責任の重さに耐えられず、仕事を辞めたいと思う人も少なくありません。

 

理由4:他にやりたいことがある

 看護師を辞めたい理由として「他にやりたいことがある」といったケースもあります。

 例えば、看護師になる前には医者になりたかったのに、その夢が叶わず、仕方なく看護師になったとします。 看護師の仕事を続けていても、どうしても医者になる夢があきらめきれず、再び医者になる勉強を始める人もいるでしょう。

 また、看護師という仕事をしつつも違う分野に興味があり、新しい仕事に挑戦したい、という人もいます。 このように、他にやりたいことがある場合は、ポジティブな理由で看護師を辞める人が多いです。

 また、若い世代の看護師ほど他の仕事に興味が湧くことも多く、看護師になってから3年以内に、多種業へ転職するケースも多いです。

 

看護師を辞めたい人で辞めるべき場合

 ここからは、看護師を辞めたい人のなかでも「辞めるべき人」について見ていきます。

 例えば、看護師を辞めたい原因として、「もらえるお金が少ないから」という理由と、「今の職場が原因で病気になってしまった」という人では、 後者の方が、すぐに仕事を辞めた方が良いでしょう。

 看護師の仕事や、今の職場を辞めた方が良いケースとはどのような場合なのか、紹介します。

 

1.ストレスで体調不良を起こしている場合

 一番今の仕事を辞めた方が良い状況は、「ストレスで体調不良を起こしている」というケースです。

 仕事上のストレスが原因となり、慢性的な体調不良や、うつや適応障害などを発症している場合は、 すぐに仕事を辞めた方が良いでしょう。無理して仕事を続けてしまうと、さらに病状が悪化することもあるため、 現在の病院で看護師を続けるのは難しいのです。

 また、そこまでの症状がなくても、「仕事のことを考えると眠れない」「胃痛や頭痛が続く」といった場合も、 職場が原因で慢性的なストレスを抱えていることが多いです。 ストレスの原因が何かをよく考え、仕事が原因であるなら、辞めることを検討する必要があります。

 そして、退職した後も、病状次第では、しばらく休養が必要になるでしょう。 せっかく違う病院へ転職をしても、同じような心身の不調が続くようなら、仕事を続けるのは難しくなります。 まずは心身をいたわり、十分な休息を取ることが必要です。

 

2.病院の待遇に問題がある場合

 看護師が勤める職場のなかには、残念ながら「待遇に問題がある」というケースも少なくありません。 基本的に看護師の仕事は、残業手当がつきやすい仕事です。

 患者からのコール対応や、急患の対応などでは、多くの場合残業として手当をつけてくれるでしょう。 しかし、あきらかに残業をしても残業代が出ない、または少ない、深夜手当や休日手当がきちんと出ない、 といった場合は、労働基準法違反となります。

 また、就業時間以外に、研修や勉強会が頻繁にあるという場合も、労働規約違反に当たるケースが多いのです。 このような病院に勤めている場合は、退職や転職を検討したほうがよいでしょう。 他の病院へ再就職することにより、正規の手当がもらえ、より高い報酬がもらえる可能性もあります。

 

3.看護業務そのものが辛い場合

 長年看護師の仕事をしているが、「そもそも看護師の仕事が辛い」という場合は、看護師を辞めた方が良いかもしれません。

 看護師の仕事はさまざまな業務がありますが、看護師として患者の世話をする、コミュニケーションを取るといったことが基本です。 そのような人と接する業務が辛いと感じるなら、そもそも看護師としては向いていないともいえるでしょう。

 看護師は、配置される場所によるものの、基本的には人の世話をすることには変わりありません。 看護師を続けている限りは、人とコミュニケーションを取る仕事をしなければならないのです。 その仕事自体が辛いのであれば、思い切って他の業種に転職をすることも検討すべきでしょう。

 ただし、看護師の仕事を始めて、1年や2年の新人であれば、もう少し今の仕事を続けてみるのもおすすめです。 新人時代の看護師は辛いことも多いので、もう少し経験を積めば仕事が楽しくなる可能性もあります。

 

4.職場で嫌がらせを受けている場合

 今の職場で明らかなパワハラセクハラなどがある場合、看護師を辞めなくても、今の職場を退職することがおすすめです。

 残念ながら、病院のなかにはパワハラやセクハラが横行している職場も少なくありません。 上司から業務上の指導を超える暴言をいわれたり、同僚などの前で侮辱されたりする場合は、パワハラに当たる可能性が高いでしょう。

 また、暴言や嫌がらせがなくても、職場で無視される、人間関係から排除される、といったケースは、 心理的なパワハラになります。このような職場は精神的に負担となるため、辞めることを検討すべきです。

 一度できてしまった人間関係を再構築するのは難しいですが、新しい職場へ転職をすれば、新たな人間関係を築くこともできるでしょう。

 

看護師を辞めたい人で考え直す必要がある人

 看護師を辞めたいと考えても、その理由によっては考え直す必要もあります。

 例えば、まだ看護師の仕事に就いて経験が浅かったり、収入をもっと上げたかったりする場合は、看護師を辞めたあとに後悔することもあるのです。 これらは一体どういうことなのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

 

1.新人で経験が浅い場合

 看護師に限らず、どこの職場でも、新人の立場は大変なことが多いです。 一般的に、新人の間は覚えることも多く、上司や先輩からの指導も増え、叱責されるといったこともあるでしょう。

 はじめのうちは慣れない仕事を覚えるのが精いっぱいで、看護の仕事がつまらないと感じるかもしれません。 しかし、注意されたり、自分のふがいなさを感じて落ち込んだりしても、勢いで仕事を辞めてしまうのはもったいないのです。

 看護師の仕事は、患者の容態にかかわるため、特にミスに関しては厳しいことがあるでしょう。 しかし、叱られたからといって、そこで辞めてしまうのは良くありません。

 看護師の仕事を辞めて他の仕事に就いたとしても、また辛いことがあればすぐに辞めてしまう可能性があります。 仕事というのは看護師に限らず、新人時代はなかなかうまくいかないという覚悟を持って続けることが大切です。

 もちろん、看護師の仕事上のストレスで、身体に重い影響が出ている場合は、退職を考えたほうが良いでしょう。 しかし、そこまでのストレスを抱えていない場合は、すぐに辞めずに、しばらく看護師の仕事を続けてみるのがおすすめです。また、仕事は続けるものの心身の疲れがある場合は、しばらく有給をとるなどの対処方法を実践してみるのも良いでしょう。"

 

2.収入に不満がある

 収入に関する不満は、改善することが難しいことも多いです。

 とくに、看護師の給与は、一般職に比べると高いといわれています。 そのため、看護師から他の業種に転職しても、実際には半数以上の人が「収入が減った」という調査結果も存在するのです。

看護師の収入は、勤務先やキャリアなどの立場によって違いがあります。 ただ、基本的には残業代や休日手当がきちんとつく仕事でもあるので、それらに関しての違法性がない限り、転職しても報酬が一気に上がるということは考えにくいでしょう。

 正当な給与をもらっていても収入に不満があるという場合は、看護師の資格を活かし、他の病院への転職を考えましょう。 収入をさらに得るため他の業種への転職をしても、なかなか希望通りの収入を得るのは難しいのが現状です。

 

看護師を辞めたい人が辞める前に試してみるべきこと

 看護師の仕事を辞めることは簡単ですが、辞めたあとはなかなか次の仕事が決まらない、ということもあります。

 仮にうまく転職ができたとしても、実は劣悪な職場環境であり、こんなことなら前の職場を続ければよかった、と思うケースも多いのです。 ここからは、仕事を辞める前に、何かできることはないか具体的に考えていきましょう。

 

1.人に悩みを打ち明ける

 看護師の仕事を辞める人のなかには、誰にも相談せず、いきなり退職をしてしまう人もいます。 きちんとした理由があれば良いのですが、迷っていつつも誰にも相談せずに辞めてしまうと、後悔することになるかもしれません。

 看護師を辞めようか迷ったときは、まずは人に悩みを打ち明けてみましょう

 相談相手として、まずは、職場の同僚や先輩などがいます。 同じ職場の信頼できる人に悩みを打ち明けることで、心が軽くなることもあるでしょう。 その悩みに関する解決方法はないのか、具体的なアドバイスがもらえるかもしれません。

 また、家族や友達など、看護師とは関係のない人に悩みを打ち明けることもおすすめです。 違う立場の人たちからアドバイスをもらうことで、自分の悩みが思いがけず解決できることもあるのです。

 人に悩みを打ち明けることは、自分を客観視できることにもなります。 辞めることで頭が一杯になっていても、違った視点から物事を判断できるようになり、退職を思いとどまるきっかけになるかもしれません。

 

2.休暇を取って仕事から離れてみる

 看護師の仕事が辛くなったら、有給休暇などの休みを取り、心身ともにリフレッシュするのがおすすめです。

 思い切って旅行に出かけたり、家でのんびりとくつろいだりするのも良いでしょう。 病院という職場から距離を置くことにより、「もう一度仕事を頑張ろう」とやる気が起きることもあります。

 また、うつ病や業務における怪我などで長期の休養が必要な場合は、傷病手当をもらいながら休養できるケースもあります。 傷病手当は医師の診察を受けたうえでの判断になりますが、診断が下された場合は、しっかりと休むことが大切です。

 心身ともに疲れているときは、ネガティブな判断しか下すことができません。 きちんと休息をとったうえで、本当に看護師を辞めるべきかゆっくりと考えましょう。 それでも、仕事が辛いといった場合は、退職して違う職種につく方法もあります。

 

3.働き方を変えてみる

 仕事を辞めたいと考えるなら、看護師としての働き方を変えてみる方法もあります。 看護師の資格は、多様な働き方に対応できるメリットがあります。

 例えば、大学病院といった大きな場所で働くことは、多くの人に囲まれ、やりがいも多いかもしれません。 しかし、その分夜勤や緊急コールに対応する必要もあり、体力的には辛いこともあるでしょう。 それが辛いのであれば、個人病院やクリニックへ転職し、働き方を変えてみるのもおすすめです。

 また、子供が好きな看護師なら小児クリニックを選んだり、 日中だけ安定して働きたいのであれば、企業公共機関の病院を選んだりすることもできます。

 そして、看護師は雇用形態も常勤非常勤などの選択肢があります。 看護師としての転職をする際には、自分にあった勤務形態を選ぶこともできるでしょう。 これまで勤めていた病院を辞めて環境を変えることは勇気が必要です。

 しかし、思い切って働き方を変えることで、看護師という仕事にやりがいを感じ、良い方向に向かうケースもあるでしょう。"

 

看護師を辞めたい人が転職先で役立つと考えられるスキル

 ここからは、看護師を辞めたい人が「転職先で役立つと考えられるスキル」について紹介します。 看護師はハードな仕事だけに、転職先でもそれまでの功績を認めてくれることも多いでしょう。

 しかし、看護師の仕事という実績だけでは、理想の転職に結びつかないこともあります。 転職を考えているのなら、看護師ならではのスキルを活かしてアピールしていきましょう。

 

1.コミュニケーション能力

 コミュニケーション能力は、多くの業務において強いスキルといえます。

 例えば、看護師のなかでも、不愛想な人と、積極的に笑顔で患者に接する人では、後者の方が支持されます。 それは患者からの支持だけではなく、雇う病院側としても、コミュニケーション能力の高い人のほうを採用するでしょう。

 特に、看護師として他の病院へ転職をする場合、コミュニケーション能力は重要です。 採用側としては、看護師としての知識や経験も重視するものの、看護業務を通して、コミュニケーション能力も高い人を求めているのが一般的です。

 また、コミュニケーション能力は、看護師だけの転職に限った話ではありません。 営業職や接客業など、その他の業種にも大変重要なスキルです。 普段から積極的に人とコミュニケーションを取り、転職活動に役立てていきましょう。

 

2.医療にかかわる知識や経験

 医療にかかわる知識や経験を持っていると、転職活動では非常に有利になります。 医療知識が役立つ仕事となると、やはり看護師や医師といったイメージがあるかもしれません。

 しかし、実際には病院での看護師に限らず、多くの業務で役立つのです。 例えば、保育士のなかでも特に人手不足といわれているのが「病児保育スタッフ」です。 病気になってしまった子供を預かる仕事ですが、医療知識のある看護師であれば、保育士よりも高い給与で働けることも多いです。

 このほかにも企業看護師や、医療関係の業務に転職をしたい場合にも、医療知識があることで転職には有利になります。

 また、介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取得する際にも、医療知識は活かすことができます。 訪問介護といった仕事では、一般的に利用者の介助を行うことが多いですが、 看護師資格があることで利用者の血圧や体温を測るといったサポートもできるでしょう。

 その場合も、一般的な介護福祉士よりも給与は高く、対応できる業務が多い分、やりがいもあるのです。 このように、看護師で培った医療にかかわる知識や経験があれば、転職活動においても有利になることが多いでしょう。

 また医療機器メーカーや製薬会社の営業職としても、医療知識は重宝されます。

 

3.看護師資格

 看護師は、そもそも看護師資格を持っていることが、転職に役立ちます。

 看護師資格というのは、いざというときに人を助け、どの職業においても頼りにされることがあるでしょう。 例えば、子供の安全を守る保育園や児童養護施設では、看護師資格のある職員がいれば、いざ子供が病気やケガをしたときでも安心です。 病気やケガへの適切な対応ができる職員として尊敬され、その分待遇が良いことが多いのです。

 看護師の資格があれば、他の病院へ看護師としての転職はもちろん、その他の職業でも優位に就職できることがあります。 病院以外の、企業や教育施設などでの看護師として働くこともでき、働き方の幅が広がるでしょう。

 また、他の業種を経験した後に、やはりもう一度看護師として働きたい、といったときも安心です。 看護師資格があることで、多少ブランクがあっても実務経験を積みながら、看護師の仕事に戻ることもできるでしょう。

 

看護師を辞めたい人が資格を活かせる転職先や職種

 ここからは、看護師が資格を活かして転職できる、転職先や職種は何があるのかを見ていきましょう。 看護師が働く職場は、何も病院だけではありません。 看護師の資格があれば、「こんな職場でも働くこともできるのか」といった職場は意外と多いのです。

 

1.産業看護師

 産業看護師とは、簡単にいうと一般企業に勤める看護師をいいます。 その企業で働いている人達の健康をサポートすべく、健康診断や健康相談などを行います。

 また、健康管理におけるデータベースを保管する作業などもあるため、看護師でありながらも、パソコン業務が多いのも特徴です。 そのため、多少のパソコンスキルは必要ですが、病院で勤務するような、歩きっぱなし、立ちっぱなし、といった肉体労働が少ないのも魅力です。

 そして、産業看護師の場合、勤務形態が企業と同じことが多いです。 大学病院のような、土日出勤、夜勤といったことはありません。 勤務時間は9時~17時までであり、土日休みもある、といったケースが一般的でしょう。

 昼夜を問わず働くといったことがないため、オン・オフのメリハリをつけた働き方が可能です。 また、患者の手術に立ち会ったり、薬を投与したりといった仕事も基本的にはありません。 そのため、「医療ミスが怖い」という人にとっても、資格を活かしながら安心して働くことができます。

 

2.教育施設の看護師

 看護師は、「教育施設の看護師」として働くこともできます。 分かりやすいイメージでいうと、学校の保健の先生に似ています。

 幼稚園や保育園のなかには、専属の看護師が園に在籍していることも多いです。 そのような教育施設の看護師は、子供がけがをしたときや熱を出したとき、処置をしたり、病院へ付き添ったりすることが仕事となります。

 主に子供相手の仕事なので、特に子供好きの人にはピッタリの仕事です。 また、幼稚園や学校など夏休みといった長期休暇がある場所では、それに合わせて自分も長期休暇を取ることができます。 長い休みがある分、充実したプライベートも過ごすことができるでしょう。

 また、働く女性が増えているため、「病児保育スタッフ」のニーズも高まっています。 病児保育スタッフは、保育園や親に代わって病気の子どもを預かって世話をする仕事です。 病児保育スタッフは、病気やケガに対する知識を持つ看護師だからこそできる仕事です。

 このように、看護師の資格があれば、子供に関わる仕事にも転職しやすくなります。

 

3.介護福祉施設

 看護師の転職先としては、「介護福祉施設」に関する仕事も多いです。 介護福祉施設と聞くと、介護士の免許を持つヘルパーを中心とした仕事のようにも見えますが、看護師のニーズも高まっています。

 介護や福祉の仕事は、有料老人ホームや障がい者支援施設、訪問介護、在宅医療などの訪問サービスなど、複数あります。 その多くが利用者への介助だけでなく、健康状態のチェックや薬の管理、血圧測定といったサポートを必要としています。 このような医療行為を行えるのは、看護師だけに限定されている場合も多いのです。

 介護福祉施設での看護義務は、利用者への健康管理を行うことが多いので、手術に立ち会ったり、ナースコール対応があったりすることは、まずありません。 また、1施設あたりに駐在する看護師の数は比較的少ないです。 そのため、病院から介護福祉施設へ転職をすると、看護師同士の人間関係に悩むことが減ることも考えられるでしょう。

 

4.治験コーディネーター

 治験コーディネーターとは、新しく開発された薬を臨床実験として使う際、治験の対象となる患者への説明やサポートを行う仕事です。

 治験となる患者へのサポート業務はあるものの、注射や点滴といった医療行為は基本的にありません。 熱や血圧を測ったり、新薬の投与後の状態をこまかにチェックしたりする仕事が多いでしょう。 また、患者の状態をしっかりと見るため、コミュニケーション能力が高い人材が求められることもあります。

 治験コーディネーターになるには、基本的に特別な資格は必要ありません。 それでも、医療的な専門性が問われることも多いため、看護師資格があった方が働く上で有利になるでしょう。 治験コーディネーターになるためには、SMO(治験施設支援機関)や、医療機関などへの就職が一般的です。

 

5.献血ルームや人間ドック施設など

 看護師資格があれば、献血ルームや人間ドック施設などで働くことも可能です。 これらの施設で働くことはシフト制が多く、自分の都合に合わせた時短勤務などを選ぶこともできるでしょう。

 献血ルームや人間ドック施設などでの業務内容は、採血などが多いです。 特に、混雑する都内での献血ルームでは、かなりの人数を対象に、かつスピーディーに採血をする必要もあります。 また、看護師としての医療業務だけでなく、会場到着後の設備の設営作業などをサポートすることもあるでしょう。

 そして、看護師は人が集まるイベント会場などで必要とされることも多いです。 そのため、スポーツ大会やコンサート会場での救助室で働く「イベントナース」や、合宿などに同行する「ツアーナース」などの仕事もあります。

 いずれにせよ、献血ルームを中心としたこのような仕事は、非常勤やパートなどの勤務も可能です。 「家庭と仕事を両立したい」「ブランクがあるが看護師の仕事を復帰したい」といった場合は、こうした非常勤の看護師として働くのも良いでしょう。 プライベートとの両立や、ライフステージに合わせた働き方ができるのも魅力です。

 

看護師を辞めたい人が転職で成功するポイント

 ここからは、看護師を辞めたい人が「転職で成功するポイント」について紹介します。 転職は、ただ単に「今の仕事を辞めたかったから転職した」という状況では、うまくいかないことも多いです。 看護師を辞めたあと、新しい職場でうまくやっていくためには、転職先を見つける際にいくつかの重要ポイントがあるのです。

 

1.社員教育体制がしっかりしている企業を選ぶ

 転職先を選ぶ際には「社員教育体制がしっかりしている企業を選ぶ」ことが重要です。

 特に、看護師を辞めて「未経験の業種」へと転職をする場合は、教育体制のサポートがしっかりしている企業を選んだ方が良いでしょう。 通常、未経験への業種へ転職をする際には、雑誌やweb上での「求人情報」を参考にすることがあります。 その際には、「入社後の研修制度」についても確認し、社員教育体制がしっかりしている企業を選ぶことがポイントです。

 例えば、看護師から保育園で働く、園の専属看護師になったとします。 これまでの業務とは違い、子供の遠足といった外での行事にも参加する必要があるでしょう。 その際には、交通量の多い場所ではどう子供を誘導するのか、炎天下では子供の安全をどうサポートするのかなど、子供の安全を守るために学ぶ必要があります。

 転職先に勤めたとたん、これらの安全性を急に求められると、「自分には難しい」というミスマッチを感じるかもしれません。 そのようなことがないよう、あらかじめ社員教育体制がしっかりした企業を選ぶことが大切です。

 勤め先によっては、研修期間を設けて、保育資格取得のセミナーや、子供の行動を学ぶといった講習の受講費を、負担してくれる企業もあります。 サポート体制がしっかりしていれば、いざ転職したときも落ち着いて対応ができ、入社後の安心材料になるでしょう。

 

2.転職することで叶えたいことを明確にする

 転職には、あらかじめ「仕事を変えることで叶えたいことを明確にする」ことが、とても重要です。

 そもそも、自分がなぜ転職をしたいのか、その理由を明確にしてみましょう。 人間関係のトラブルが嫌だったのか、金銭的な不満があったのかなど、看護師を辞める理由は人それぞれです。 辞める理由を明確にし、次の転職先ではどのような希望があるのか、叶えたいことを明確化します。

 例えば、給与や休日、仕事内容の条件など、転職先に希望する条件をピックアップしましょう。 人間関係に嫌気がさして仕事を辞めたのなら、転職先では「給料が安くても人間関係の良い場所が良い」ということが分かります。 このようにして、1番に望むのは人間関係、2番目は土日休みが取れること、3番目は夜勤がないこと、といったように、希望条件を明確化していきます。

 まずは、職種や企業イメージなどにとらわれずに、「自分にとって叶えたいこと」を明確にすることが大切です。 これにより、自分が本当に希望している転職先を、より探しやすくなるでしょう。

 

3.応募資格だけでなく企業が求める人物像にも目を向ける

 転職では、応募資格だけでなく、「企業が求めている人物像」にも目を向けることが大切です。

 例えば、看護師という資格を活かし、働く人をサポートする「産業看護師」に転職をするとします。 ただ、そこの職場の雰囲気は、企業側がどのような人物像を求めているのかにより、さまざまな違いがあるでしょう。

 例えば、「労働者の健康をサポートするため、コミュニケーション能力が高い人を望みます」といった希望条件があった場合、 多くの人と接しながら業務をすることが予想されます。 そこに、人見知りが激しい人が転職してしまうと、せっかく転職をしても仕事が辛くなってしまうかもしれません。

 逆に「コミュニケーション能力」や「接客対応力」を持ち味としている人が、「パソコン業務を得意としている人」という求人に応募した場合はどうなるでしょうか。 人と接する機会がなく、日々パソコンに向き合う仕事では、転職後のやりがいは奪われるかもしれません。

 転職では、自分の性格における持ち味と、企業が求める人材がマッチしているかどうかも重要です。 応募資格をクリアしているうえで、企業側が求めている人物像の雰囲気も見極め、自分に合っているかどうかを判断してみましょう。

 

看護師を辞めたい人が抱えるよくある悩みと解決方法

 看護師として働く人のなかには、「看護師を辞めたいのに辞められない」といった悩みを抱えてしまうケースも多いです。 心身ともに疲れているのに、事情があって看護師を辞めることができず、悩みを抱えこんでしまうのです。

 しかし、どんな事情があるにせよ、無理をして看護師を続けるのはよくありません。 ここからは、看護師を辞めたい人が抱える、よくある悩みと、その解決方法について紹介します。

 

1.奨学金を理由に辞められない場合

 看護師のなかには「奨学金があるゆえに、なかなか看護師を辞めることができない」という人もいます。

 しかし、結論からいうと、奨学金を理由に退職できない、ということはありません。 奨学金は、大学入学などの学費が自分で用意できない場合、国や地方自治体からお金を借りて学ぶ制度です。

 看護師の場合、看護学校を卒業後は病院に勤務しながら、「病院から奨学金を出してもらう」というケースもあります。 特に、看護師資格を取得できたという人は、資格取得後もその病院で働き続けることも多いでしょう。

 奨学金を病院が払ってくれている以上、なかなか仕事を辞められないと悩む人は少なくありません。 また、辞めるなら、立て替えてもらった奨学金をすべて支払わなければならない、と思っている人もいます。

 しかし、実際には、看護師を退職する際に病院側から「奨学金の返還」を請求されても、全額返金をしなくてもよいケースがあります。 必ず全額返金をする縛りがあると、絶対に仕事を辞められないという、強制労働につながってしまうことになるからです。

 労働基準法16条では、このような足止めを禁じています。奨学金が理由で、病院を退職できないということは基本的にありません。 具体的なアドバイスが欲しい場合は、日本学生支援機構をはじめとした、国や自治体の相談窓口へ問い合わせてみましょう。

 

2.周りが退職させてくれない場合

 自分としては看護師を辞めたいのに「周りが辞めさせてくれない」というケースもあります。

 特に、「家族」から強く退職を反対されることは多いです。 看護師になるまでには、学費や実習費用、教科書代など、実に高い費用がかかります。 自分の子供にお金を掛けて、せっかく看護師として育て上げたのに、仕事を辞めてしまうのは家族としては納得がいかないのです。

 また、家族に限らず、「看護師になるまでに努力したのだから簡単に辞めるものではない」と周りにいわれることもあるでしょう。 周囲の人から退職を引き止められて、なかなか仕事が辞められないと悩む看護師は少なくありません。

 しかし、実際に働いているのは自分であり、今後の人生をどう生きるかを決めるのも自分です。 強いストレスを感じてどうしても「辞めたい」という場合は、周りと話し合って仕事を辞める決断が必要でしょう。

 ただ、ストレートに「看護師を辞める」と周りに伝えると、トラブルになることも多いです。 そのため、看護師は続けつつも「他の病院への転職」を考えるか、他の業種に転職しても「また看護師に戻ることができる」ということを伝えると、周りも理解してくれるケースもあります。 お互いに感情的にならず、自分の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。

 

看護師を辞めたいときにスムーズに退職するには

 看護師を辞めるときには、いくつかの手続きが必要だったり、周りに迷惑を掛けないような配慮が必要だったりします。 実際に辞めるときにトラブルが起きないよう、スムーズに退職するためのポイントを紹介します。

 

1.退職の意思をはっきりと伝える

 看護師としていまの職場を辞めるときは、はっきりと「辞める」という意思を伝えましょう

 退職理由は、やりたい仕事があるなどポジティブな理由を伝え、はっきりと辞める意思を伝えることが大切です。 まだ迷っている、次の仕事が見つからない、といったあいまいな態度を取ってしまうと、人手不足の状態が続いている病院ではとくに、何とかして引き止めようとするでしょう。 引き止められると、いざ辞めるときに人間関係がこじれてしまうことにもなります。

 また、仕事を辞めることは、法律上「2週間前に退職の意思を伝える」ことで、辞めることができるようになっています。 しかし、実際に辞める2週間前に伝えるのでは、現場が混乱し、引き継ぎなどがうまくいかないことが多いでしょう。

 できれば、退職を希望する1カ月前には、意思を伝えておくと安心です。 退職届は、書いて直接病院に渡すか、郵送することが基本です。

 

2.引継ぎや挨拶回りをしっかりとしておく

 退職することが決まったら、引継ぎや挨拶回りをしっかりとやっておきましょう。

 仕事を辞めることは、ただ辞めることを伝えたら終わり、ということはありません。 退職届を提出したあとは、具体的な退職時期の決定や、引継ぎの計画を立てます。

 自分が抜けたあとも、その職場での業務がスムーズに進行できるよう、残ったスタッフなどにしっかりと引き継ぎ業務を行いましょう。 また、これまでお世話になった、院内のスタッフや担当患者などにも、きちんと挨拶回りをしておいた方が良いです。

 そして、有給休暇消化の時期や、日数などの確認も忘れてはいけません。 特に、有給休暇がとても残った状態だと、退職届を出してから実際に退職をするまで、職場に勤務する日が少ないこともあります。 もらえる有給休暇はなるべく消化し、退職日まで計画的に過ごすことが大切です。

 

看護師を辞めたい場合に知っておくべき手続き

 実際に看護師を辞めるときには、思いがけないトラブルが生じることもあります。 転職先が決まるまでに、健康保険の変更手続きが必要だったり、未払いの残業代がある場合は、支払い請求をする必要もあったりするのです。 また、看護師を辞めたあと、転職先がすぐ決まらない場合は、失業保険を請求することもあるでしょう。

 ここからは、看護師を辞める際に知っておくべき、3つの手続きについて紹介します。

 

1.失業保険の手続き

 看護師を辞めたあと、なかなか転職先が決まらない場合は、「失業保険」を受給できる可能性があります。

 失業保険の受給要件としては、退職前に「2年以上雇用保険に加入していた」「求職活動を行っている」「転職先が決まっていない」といった条件があります。 看護師の仕事を辞めて無職になれば失業保険がもらえる、ということではないので注意しましょう。

 実際に失業保険をもらうには、転職活動を行いつつも内定がもらえていないといった、就職活動を行った実績が必要になります。 自己都合退職といった通常の退職で支給要件に該当すれば、失業保険は3カ月の給付制限期間が終わった後に支給されます。

 ちなみに、看護師を辞めたあとに転職先がすでに決まっている場合は、必要書類を転職先に提出するだけで、一連の書類手続きは終了です。

 

2.健康保険の手続き

 看護師を退職した後に、忘れてはならないのが「健康保険の手続き」です。

 退職後、すぐに転職先が決まれば、あらたな健康保険組合に加入することができるでしょう。 しかし、次の転職先までにブランクがある場合は、健康保険の変更手続きが必要です。

 退職後の健康保険の手続きには、主に3つの選択肢があります。 それは「家族の扶養に入る」「退職した病院の健康保険を任意継続する」「自治体の窓口で国民健康保険の加入に変更する」という方法です。

 健康保険の手続きは分かりにくく、書類作成などの手間も掛かるため、つい放置してしまう人もいます。 しかし、健康保険に加入しないと、病気がけがなどで医療機関を受診した際の医療費は全額自己負担となります。

 例えば、これまで千円程度で済んでいた歯科治療が、健康保険に加入していないことで数万円も支払う必要も出てくるのです。 退職をしたあとは、必ずいずれかの健康保険手続きをするようにしましょう。

 

3.未払いの残業代があれば請求する手続き

 退職をしたあと、未払いの「残業代」や「深夜手当」「休日手当」などがあれば、退職後であっても請求することができます。

 とくに、残業手当や深夜手当は、過去支払われていない2年までさかのぼって請求ができます。 つまり、未払いの時期が長ければ長いほど、請求できる金額は高額になるでしょう。

 過去に勤務していた病院へ未払い金を請求するのは、やや難しく見えるかもしれません。 しかし、過去の未払い金を洗い出し、「内容証明郵便」で催告書などを送付することができます。 内容証明で送った催告書は、裁判になった場合「証拠品」にもなるので、なかなか病院側が支払いに応じない場合には有利になります。

 それでも支払いに応じなかったり、トラブルが生じたりした際は、弁護士に相談しましょう。

 

どうしても看護師を辞めたい人は経験を活かした転職活動をしよう

 看護師を辞めたい理由は、人によってさまざまでしょう。

 しかし、看護師は資格がないと働くことができない、とても重要な仕事です。 辞めることで本当にメリットがあるのかを考えたうえで、退職や転職を行いましょう。

 また、転職活動をする場合でも、看護師の仕事はそれまでの経験を活かすことができます。 辞める決心が固い場合は、可能性を広げ、新たな道を探すのも良いでしょう。

 

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