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看護師の将来性

 「看護師の仕事をこのまま続けていて大丈夫かな?」と、ふと気になることがあると思います。 この記事では、今後職業としての「看護師」がどうなっていくのか解説しています。



 

看護師の将来性は高い

 結論からいうと、看護師の将来性は高いです。

 高齢者の人口が増加を続けており、2020年代には現在より25%の増加が見込まれています。 (高齢化の状況(内閣府)

 「人口減少」で日本国内では様々な業界で「市場規模の縮小」が見込まれていますが、 医療の世界では逆で、高齢者が増える分、仕事がどんどん増えると考えられます。

 これに伴い、現在でも人手不足な看護師は、将来的にさらに人手不足が深刻化すると考えられます。 仕事がかなり忙しくなる可能性もありますが、就職や転職も簡単になり、 待遇改善の圧力がかかることになります。

 働き方の見直し、報酬制度の見直しが一層進み、今より仕事の満足度が高まるでしょう。

 

訪問看護が特にアツい

 看護師の中でも特に将来性が高いのが、訪問看護です。

 政府(厚生労働省)の方針では、これまでの入院医療在宅医療に転換していくことが決められています。

 これは「できる限り住み慣れた地域で療養することができる」ことを理念として掲げていますが、 本当の理由は「医療費の増大に対応するため」です。 現在、国民医療費は42兆円ほどですが、25年度には61兆円にまで膨れ上がると予測されています。

 比較的症状の軽い患者を自宅に帰すことで、医療費を削減しようという狙いがあります。

 在宅医療となりますと、訪問看護が活躍します。 訪問看護では病棟と異なり、基本的に看護師が1人で患者の対応をします。 役割が大きい分、看護師への報酬は高めで、「残業が少ない」「夜勤なし」など現在でも待遇が良いです。

 在宅医療への転換が進むと、訪問看護の需要がさらに高まり、 「昼中心」の働き方がどんどん浸透していきます。 拡大途上なので、報酬も悪化することは考えにくいです。

 →訪問看護ってどうなの?

 

病棟の激務度は上がる

 一方で割を食うのが病棟です。症状の軽い患者が在宅医療に転換すると、 病棟には重症患者しか残らないということになります。

 これまで病棟には急変対応などがそれほど必要ではない患者もいて、これだけの忙しさでした。 ですが、今後はこれまで以上に急変対応・ナースコールの鳴り響く環境に変わっていきます。 つまり、病棟は激務になるということです。

 残念ながら日本社会には「激務度」による報酬という考え方がなく、専ら「勤務時間」で評価する節があります。 もし急変対応が倍になっても、「勤務時間が同じなら給料も変わらない」という未来が容易に予測できますね。 病棟はこれまで以上に割に合わない仕事になっていく可能性が高いということです。

 実務経験のない新卒は、新人教育の充実した病院以外の進路が基本的にないため、 激務の病棟勤務にしばらく耐えなければなりません。 病院以外への転職が可能になるのがおよそ「実務経験5年」とされていますが、この5年間が修羅場になりそうです。

 

将来の看護師のキャリアパス

 看護師の転職は、今まで以上に「当たり前」になっていくと予想されます。

 というのも、今でさえ体力的・精神的にキツすぎる病棟勤務ですが、その激務度がさらに上がるからです。 そもそも三交代制、二交代制というのは本来の人間の生き方ではなく、どこかで無理が生じます。 それなのに、追い打ちをかけられては若いうちしか身体がもたないでしょう。

 一方で、日勤メインで残業も少ない職場、例えば訪問看護や保育園、企業看護師なども、 需要はどんどん高まっていきます。有料老人ホームのように、経済的に余裕のある高齢者に対して、 上質なサービスを提供する事業者も現れてくるでしょう。

 これらのうち特に民間企業の運営する施設は、看護師の待遇もどんどん上げていくと予想されます。 そうしないと上質な看護サービスを提供できる看護師が来てくれないからです。

 すると、将来の看護師は「病棟で経験を積む」→「他の高待遇の職場に転職する」 というキャリアパスを経験することになるでしょう。

 

1.病棟で経験を積む

 新卒の段階では、やはり教育制度の整った病院が主な就職先であることは変わらないでしょう。 特に「病棟での臨床経験」が転職に有利に働きますので、病棟で経験を積むのが最初の段階です。

 転職市場ではおよそ「実務経験5年」が、病院以外の転職先が求める条件です。 保育園や企業看護師、有料老人ホームなどでは先輩となる看護師の人数が足りず、 有効な教育制度が作れません。そのため、まずは病棟でということになるでしょう。

 今後、この「新卒から5年間」が非常にキツくなりますが、逆に言えば経験としては十分です。 この期間を経ると、転職先が大きく広がることになります。

 

2.他の高待遇の職場に転職する

 十分な経験を積むと、高待遇の職場に転職することが可能になります。

 結婚や育児と「深夜勤を含めた三交代制・二交代制」は両立が難しく、 また仕事の激務度が上がる割に給料が良くならないという事情も合わさって、 転職が当たり前になります

 特に「病棟」と「特別養護老人ホーム」を除くと、「夜勤があっても急変対応が少ない」 「そもそも夜勤がない」「残業もない」ような職場がたくさんあります。 給料も「夜勤手当がない」くらいの違いしかなく、今でも転職は人気です。

 もちろんこれまで通り病院に勤務して「認定看護師」「専門看護師」「管理職」を目指す道もありますが、 体力的・精神的にも厳しく、また「枠が少ない」ことから「誰もが頑張ればなれる」ものではありません。

 病棟での経験を礎に、高待遇な職場へキャリアアップするのが今後の主流になるでしょう。

 

将来に備え、今何をするべき?

 実際に転職するかどうかはさておき、激務度が進行する病棟以外の選択肢を持っておくことが重要です。 来るべき未来に備え、看護師としてのキャリアを伸ばすために、今何をするべきでしょうか。

 

1.看護技術・知識を鍛える

 基本的なことではありますが、看護技術・看護知識を鍛えることが必要です。 周りに先輩看護師がいなくても一通り仕事ができる状態にしておきましょう。

 一定の技術・知識を身につけておくと、転職の際にも困ることがありません。 病棟での昇進・昇格はもちろん、訪問看護、介護施設、保育園、企業看護師などへの転職、 結婚や育児でいったん職場を離れた場合も、経験がモノを言います。

 履歴書的には「5年間の実務経験」が書けるよう、 主に病棟での勤務経験を積んでおきたいですね。

 

2.判断力を鍛える

 看護師のキャリアアップには判断力が重要です。 病院で管理職になる場合も、転職する場合も、 医師も先輩看護師もいない環境で仕事ができるかどうかが分かれ目になります。

 病院以外の職場は看護師が少なく、特に訪問看護や保育園は自分1人で判断する機会が多いです。 搬送の必要性の判断や応急処置など、普段の仕事でも「自分1人だったらどうするか」という視点を持って、 仕事をしてみましょう。

 いずれあなたは偉くなります。偉くなったときに備え、その時どう動くべきか、 今のうちに判断力を鍛えておきましょう。

 

3.ケアマネージャーや保健師の資格を取る

 将来に備え、ケアマネージャー保健師などの資格を取るのもよいでしょう。 高齢者の「代理人」として役所や施設の対応をするケアマネージャー、 企業や公務員への転職にも有利な保健師の資格は将来性が高く、看護師におすすめの資格です。

 ケアマネージャーは看護師・准看護師としての実務経験5年で受験資格が与えられ、 保健師は大学卒業時に受験資格を与えられている場合もあります。

 これらの資格を持っていると業務の幅が広がり、転職の職場選びで選択肢が増えるだけでなく、 資格手当などの給料アップにもつながります。

 余裕があればぜひ、資格の勉強をしておきたいですね。

 

4.将来を見据えた仕事に就く

 将来どんな職場で働きたいか、またはどんな「理想の看護師像」を持っているかに応じて、 異動願いを出したり、転職するという行動をとりましょう。

 例えば訪問看護や介護施設へのキャリアアップを考えている場合は、 高齢者ケアの経験ができる病棟への異動、そういった分野の専門病院への転職をします。

 保育園での看護師の需要も大きく、小児科系の職場で経験を積むのもアリですね。

 逆に病院で出世を目指す場合はあえて異動願いや転職をする必要はありませんが、 「自分が看護主任・師長だったらどうするか」という視点を持って、 日々の仕事に取り組むことで将来を見据えた仕事ぶりになります。

 

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