【看護師】ブラック病院の特徴と見分け方
看護師として転職を考えている人はたくさんいますが、多くの人はブラックな職場環境は避けたいと思っていることでしょう。 ブラックな環境の職場では、残業代が支払われない、休日出勤が多くて休日もまともに休めないというような状況です。 そんな環境では、体を壊してしまったりメンタルを病んでしまったりするでしょう。
そこで、本記事では看護師として転職を考えている人に向けて、ブラックな職場の見分け方を解説していきます。
目次
職場がブラックな理由
看護師の勤務環境自体にブラックなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。 ここでは、看護師の勤務がブラックだと思われる理由を5つピックアップして見ていきます。
1.シフト制による生活習慣の乱れ
看護師の仕事は、多くの場合2交代制、3交代制といったシフト制になっているのが一般的です。 具体的な勤務時間は医療機関などによって異なりますが、一例を挙げると、8~16時半の日勤、16~24時半の準夜勤、24~8時半の深夜勤といったような勤務時間になります。
このような変則的な勤務時間で仕事を続けていると、どうしても生活のリズムを一定にすることができません。 シフトごとに起床時間や入眠時間が異なってくるので、生活習慣が乱れてしまうのです。
生活習慣が乱れてくると、当然体にはさまざまな悪影響が現れ、体調を崩してしまうことになるでしょう。
もちろん、肉体だけでなくメンタルバランスにも悪影響が出てしまい、精神的に不安定な状態になってしまうことも珍しくありません。
また、生活習慣の乱れが悪影響を及ぼすのは、そうした健康面ばかりではありません。 シフト制で頻繁に勤務時間が変わると、平日・日勤の友人やパートナーと予定を合わせることが難しくなるので、人間関係にも影響が出てしまうのです。
2.残業が多い
看護師の業務にも、もちろん予定勤務時間は定められています。
しかし、患者の容態の急変や飛び込みの急患などの緊急事態が発生した場合には対処しなくてはならないため、 看護師の仕事はどうしても残業が多くなってしまうのです。
さらに、残業が多いといっても、きちんとその分の残業代が出ればいいのですが、 残念ながら看護師の業界では正当な残業代が支払われないケースも多くあります。
日本医療労働組合連合会が発表した「2017年 看護職員の労働実態調査」によれば、 「前月の賃金不払い労働(サービス残業)」について、「不払いはなかった」と回答したのはわずか31.4%でした。
つまり、看護師の仕事に従事している人々のうち、約7割がサービス残業をしていることになるのです。 さらに、同調査によれば不払い賃金の総額は約3億2,826万円にもなり、 一人あたりに換算すると月に17,559円もの不払い賃金が発生している状況になっています。
3.人間関係のトラブル
職場内の人間関係のトラブルが多いのも、看護師の職場がブラックだと思われがちな原因のひとつです。
看護師は他の職業に比べて女性の比率が大きいため、特に人間関係のトラブルが起こりやすいのです。 もちろん、人間関係のトラブル自体はどんな職場でも多かれ少なかれ発生するものですが、 看護師は慢性的な人手不足であることが多く、1人に課される仕事量がどうしても多くなってしまいます。
そうした誰もが忙しい状況にあると精神的な余裕を失ってしまい、人間関係のトラブルが起こりやすくなってしまうのです。
また、看護師の仕事は人の命を預かる責任重大なものです。 そのため、仕事のプレッシャーが非常に大きく誰もがピリピリしていることが多く、 そうした環境にあることも人間関係のトラブルを引き起こしやすい要因と言えるでしょう。
4.自由に休みが取りづらい
休みが取りやすいかそうでないかも、職場がブラックであるかどうかの大きな分かれ目となります。
看護師は、自由に休みを取ることが難しい職業だと言えるでしょう。 その原因として挙げられるのは、やはり看護師の慢性的な人手不足です。
職場にもよりますが、看護師は人手不足であることがほとんどなので、 思うように有給休暇を取得できないことが非常に多くなっています。
また、建前としては有給休暇の取得は認められており、実際に取得が可能であっても、 上司や同僚からの視線が気になって休みを取りづらいという事情もあるのです。
周囲の人からの風当たりが強くなることを恐れて有給休暇が取得できないというのは、特に若い世代に多く見られます。 若い世代では1年に1日も有給休暇を取れないという人もいるのです。
また、取れたとしても1年に数日しか取れないというケースも珍しくありません。 有給休暇は自分から希望しないと取れませんが、こうした風潮があるために多くの人が有給休暇を自由に取れずにいるのです。
5.勉強会やセミナーへの参加
どんな職業でもスキルアップは大切なことです。
スキルアップのための手段のひとつが勉強会やセミナーへの参加ですが、 看護師の業界ではこれもブラックな環境を助長する要素となっています。
勉強会やセミナーへの参加は業務時間外となります。 そのため、プライベートの時間を潰して参加することになりますが、 看護師の場合はスキルアップの名目で手当が出ないことが珍しくありません。
また、院内研修への参加者を募る理由が、医療機関が受けることのできる助成金目当てであるというケースもあります。
院内研修を行なう医療機関には国から助成金が出る場合があるのですが、 病院によっては従業員のスキルアップ目的ではなく、この助成金を得ることを目的に研修への参加者を募っているケースがあるのです。
ブラックな病院の見分け方
実際に就職してからその職場がブラックであったことがわかっても、 なかなか辞められなかったり、また転職のための準備をするために貴重な時間や労力を割かなくてはいけなくなったりすることもあるでしょう。
ここでは、そうした事態を避けるためのブラックな病院の見分け方を解説していきます。
1.求人サイトに常に掲載されている
転職の際には求人サイトを利用する人も多いでしょう。 求人サイトをチェックしていく中で、常に名前を見るような病院は避けましょう。
なぜなら、常に求人サイトに求人を出している病院は離職率が高いということが多いからです。 離職率が高い病院は慢性的な人手不足に陥っている可能性が非常に高く、 多くの看護師がその病院を離れていくだけの理由があるということになります。
そうした病院の環境はブラックである可能性が高いでしょう。
また、求人サイトに掲載されている情報がいつのものかもチェックしておきましょう。 古い情報が更新されずいつまでも掲載されていた場合は、 その病院は転職先や就職先を探している看護師たちから、何らかの理由で避けられていると考えられます。
2.業務内容の割に給料が高すぎる
多くの場合、求人情報を見ている人がもっとも注目するのは給料の額です。
当然、給料が高いに越したことはありませんが、業務内容の割に給料が高すぎる場合は注意しましょう。 なぜなら、一般的な水準よりも高い給料を提示しないと応募者が集まらない事情があると考えられるからです。
もちろん、一般的な看護師よりも高いレベルの技能や技術が要求される仕事であれば高い給料が提示されるのは当然です。 しかし、そうでないのに不自然に高い給料が掲載されているような求人は避けるのが賢明でしょう。
給料の額だけを見て求人に飛びつくのは避け、きちんと求人内容全体をチェックすることが大切です。
3.院内が整理整頓されていない
よりよい職場を見つけるためには、求人情報だけでなく見学などで実際に院内の状況を確認しておくことも大切です。
特に、院内がきちんと整理整頓されているかどうかをチェックしましょう。 整理が行き届いていない病院は、スタッフにそうするだけの余裕がないということを意味しています。
そうした病院は人手不足である可能性が非常に高いといえるでしょう。 院内がきちんと整理されていない病院は避けるのが賢明です。
求人サイトではさまざまな情報が掲載されていますが、院内の様子は実際に見てみないとわかりません。 そのため、転職を希望する病院には事前に実際に足を運んでおくのが有効です。
院内をチェックする際には、受付や廊下などの目立つ部分だけでなく、 看護師が使用しているワゴンなどにも目を向けて見るといいでしょう。
4.看護師の年齢層が高い
看護師の年齢層も、その病院がブラックであるかどうかを見分ける大きなポイントとなります。
看護師の年齢層が軒並み高く若い世代が少ない病院は、 職場環境や人間関係が原因で離職率が高くなっている可能性があると考えられるのです。
若い世代がなかなか続かない病院には、何らかの問題があると見るべきでしょう。 そうした働きづらい病院にうっかり就職してしまうと、長く働いても順調に経験を積むことができずキャリアに支障が出てしまいます。
看護師の年齢層は求人情報からはわからないので、事前に病院を見学するのがいいでしょう。 その際に、看護師の年齢層をしっかりとチェックしておけば、その病院が働きやすい職場かどうかを判断する条件の一つになります。
5.業務時間が曖昧
求人サイトにはさまざまな情報が掲載されていますが、その中でも業務時間の記載は重要です。
病院の中には、しばしば求人サイトに業務時間を明確に記載していないところもあります。 これは、実態通りの勤務時間を記載すると求人が集まらないからです。
特に、残業時間が明示されていない病院はブラックである可能性が非常に高いといえます。 そうした病院ではサービス残業が当たり前であったり、明記できないほど長時間の残業が常態化している可能性があると考えられるのです。
さらに言えば、正確な業務時間を隠した状態で求人サイトに求人を掲載しているということは、 その病院では業務改善も行われていないかもしれません。
そのため、長時間勤務を避けたい場合は必ず求人サイトに業務時間が明記してある病院を選ぶようにしましょう。
6.転職支援サービスに評判を伺う
求人サイトでさまざまな情報を確認したり、見学で院内の様子を確認したりすれば、転職先の病院についての情報はある程度手に入ります。
しかし、その病院の中の人間関係や業務の実業など、重要だけれど求人サイトや見学だけでは手に入らない情報もたくさんあるのです。 そうした情報がほしいときには、転職支援サービスを利用しましょう。
転職支援サービスでは転職先となる病院についての多数の情報を共有しているので、 担当者に相談すれば求人サイトや見学ではわからないリアルな情報を提供してもらえることがあります。
ブラックな職場でも辞められない理由と対処法
誰もが避けたいと思うはずのブラックな職場ですが、 ブラックな職場にいるにも関わらず辞められないというケースも数多くあります。
ここでは、ブラックな職場でも辞められない理由について解説していきます。
1.多忙すぎて転職に時間を割けない
ブラックな職場はとにかく人手不足で余裕がないものです。 そのため、いったんそこに就職してしまうと仕事に時間を取られ、転職活動のための時間が確保できなくなるというケースがあります。
特に、看護師の場合は常に人手不足であることが多く、必然的に一人あたりの仕事量も膨大なものになることが珍しくありません。 さらに休日出勤も多いので、自分の時間を確保することができなくなります。
そうした状況では貴重な休日も体を休めるだけで精一杯になるでしょう。 その結果、転職したくても転職の準備ができない、転職の準備ができないからブラックな職場に残り続けざるを得ないという悪循環に陥ってしまうのです。
この場合は、転職エージェントを利用するのがよいでしょう。 自分で次の職場を探すにはあまりに手間がかかりすぎますが、エージェントを利用すれば、 あなたの希望条件に沿った求人を探してきてくれます。
「受けるか受けないか」を判断するだけでよくなりますので、時間短縮になりますね。
2.人手不足で辞められない雰囲気がある
ブラックな職場の慢性的な人手不足の環境は、辞めづらい雰囲気を作っていきます。 看護師が1人辞めれば、その分の負担が残った人にのしかかってくるため、辞めようとしても辞めづらい環境になってしまうのです。
もちろん建前上は転職の自由は認められていますし、転職した結果、残った人への負担が増えることに対する責任までは取らなくていいはずです。
しかし、実際に転職を考え始めると、人手不足で仕事が回らなくなることから転職に踏み切れない、 周囲から責任を押し付けられて転職できないというケースが少なくありません。
この場合は、勇気をもって辞めるのが正解です。 法令を守らない職場は淘汰されるべきで、あなたが犠牲になる必要などないどころか、 そのほうが社会全体にとってプラスです。
社会のために、勇気をもって辞めましょう。
ホワイトな病院も数多く存在する
ブラックな職場環境が多いイメージのある看護師の仕事ですが、 もちろん看護師の職場すべてがブラックというわけではありません。
看護師の資格は国家資格であり、その業務には専門的な知識や技能が求められます。 よって、求人サイトにて一般的な職業よりも高い給料が提示されていること自体は不自然ではないのです。
また、業務時間や残業代についても、緊急の対応が必要になることはあってもそれに応じた正当な残業代が出る病院もたくさんあります。
看護体制が整っている、看護師の教育・指導体制が整っている、 在職看護師の年数の偏りがないなどの状況をしっかりチェックしていけば、ホワイトな環境の病院であるかどうかを見極めることができるでしょう。
看護師として働くならブラックな職場は絶対に避けよう
看護師は給料が比較的高く、キャリアアップも順調に行える職業です。
しかし、ブラックな病院に入ってしまうと生活習慣が乱れ、体調を崩してしまうこともあるでしょう。 そうなるとキャリアを積んでいくことどころか、生活にも支障が出てしまいます。
看護師としてのキャリアを順調に積んでいくためにも、看護師として転職する際にはホワイトな職場を選ぶことは必須です。 そのためには、転職サイトも有効活用するようにしましょう。
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